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巻頭言
3人寄れば文殊の知恵
著者: 臺弘1
所属機関: 1坂本医院
ページ範囲:P.340 - P.341
文献購入ページに移動筆者がこんなことを考えるようになったのは,分裂病治療に当たっての古い臨床経験に発している。薬物療法もなかった頃,慢性固定病像を持つ患者に「働きかけ」をしようとした時,無効であったとしていったんは捨てられていた電気ショック療法を再開して,その後にみられる一過性の軽快の時期に作業療法を導入すると,高められた活動性が持続することを知った。電気治療の効果は作業療法と連結することによって順次に軽快期間を延長することができ,しまいには電気治療の必要がなくなる。治療の併用は単独の加算以上の意味があるものである。薬物療法時代になってから,薬物の症状面への効果はもとよりのこと,私にとっては作業療法への誘導が桁違いに楽になって,電気治療の必要がなくなったことがありがたかった。現在では,作業療法と薬物療法の併用はどこでも行われることになった。
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