icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻4号

1993年04月発行

文献概要

巻頭言

3人寄れば文殊の知恵

著者: 臺弘1

所属機関: 1坂本医院

ページ範囲:P.340 - P.341

文献購入ページに移動
 ここで3人というのは,精神療法家,薬物療法家,生活療法家を意味している。
 筆者がこんなことを考えるようになったのは,分裂病治療に当たっての古い臨床経験に発している。薬物療法もなかった頃,慢性固定病像を持つ患者に「働きかけ」をしようとした時,無効であったとしていったんは捨てられていた電気ショック療法を再開して,その後にみられる一過性の軽快の時期に作業療法を導入すると,高められた活動性が持続することを知った。電気治療の効果は作業療法と連結することによって順次に軽快期間を延長することができ,しまいには電気治療の必要がなくなる。治療の併用は単独の加算以上の意味があるものである。薬物療法時代になってから,薬物の症状面への効果はもとよりのこと,私にとっては作業療法への誘導が桁違いに楽になって,電気治療の必要がなくなったことがありがたかった。現在では,作業療法と薬物療法の併用はどこでも行われることになった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら