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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻4号

1993年04月発行

文献概要

研究と報告

主婦における喪失体験と殺人—犯罪精神医学における危機介入と犯罪予防をめぐる諸問題

著者: 薩美由貴1 小田晋1 佐藤親次2 小西聖子2 田中速1 阿部恵一郎3

所属機関: 1筑波大学医学研究科環境生態系精神保健学教室 2筑波大学社会医学系 3県立友部病院

ページ範囲:P.421 - P.427

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 【抄録】 人間が経験するライフイベントには,一般に共通のものと社会・文化に規定されるものがある。その中で更年期は性と年代に固有の様々な問題を提示している。筆者らは精神鑑定において,退行期妄想症による病的体験の支配下に隣人女性を殺害した女性症例を経験した。この症例は更年期をめぐる心身症様症状,病院放浪者様行動,信仰行動などが空き巣状況下に出現した。このように精神保健的,予防医学的に教訓となる諸問題を抱えている症例を参考に,中年後期女性一般への精神医学的諸問題とその介入の必要性,および方法について述べた。さらにリエゾン精神医学のあり方や,問題点についても若干の参考意見を述べた。最後に,司法精神医学の立場から精神障害者と犯罪に関する処遇問題について今後の課題を提示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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