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精神分裂病と非定型精神病の123I-IMP-SPECT所見
著者: 林拓二1 須賀英道1
所属機関: 1愛知医科大学精神神経科教室
ページ範囲:P.489 - P.497
文献購入ページに移動 【抄録】 幻覚・妄想を有する40歳以下の内因性精神病患者23名を,満田に従って精神分裂病12名と非定型精神病11名に類別し,その123I-IMPを用いたSPECT所見を,正常対照群16名と比較した。
精神分裂病は,早期・後期の両画像において左右の前頭領域に顕著な低集積がみられた。さらに後期画像では右側頭領域や左後頭領域と基底核にも低集積を認めた。一方,非定型精神病では,早期画像で右基底核と左後頭領域に集積低下がみられたが,後期画像ではすべての部位にそのような所見を認めなかった。両患者群問の比較では,早期,後期の両画像とも前頭領域において,集積比に有意の差が認められた。このSPECT所見は,精神分裂病が前頭領域の機能障害のみならず,なんらかの不可逆性の変化を示唆していると考えられる一方で,非定型精神病は,右基底核領域中心の機能障害が疑われ,両疾患が病因的に異なる可能性が推測された。
精神分裂病は,早期・後期の両画像において左右の前頭領域に顕著な低集積がみられた。さらに後期画像では右側頭領域や左後頭領域と基底核にも低集積を認めた。一方,非定型精神病では,早期画像で右基底核と左後頭領域に集積低下がみられたが,後期画像ではすべての部位にそのような所見を認めなかった。両患者群問の比較では,早期,後期の両画像とも前頭領域において,集積比に有意の差が認められた。このSPECT所見は,精神分裂病が前頭領域の機能障害のみならず,なんらかの不可逆性の変化を示唆していると考えられる一方で,非定型精神病は,右基底核領域中心の機能障害が疑われ,両疾患が病因的に異なる可能性が推測された。
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