icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻5号

1993年05月発行

文献概要

研究と報告

外来精神分裂病者の再発および治療中断について

著者: 津村哲彦1 八尋義昭1 大磯芳三1 原田文雄1

所属機関: 1多摩済生病院・精神科

ページ範囲:P.499 - P.505

文献購入ページに移動
 【抄録】 筆者らは,当院に通院している411人の精神分裂病者を対象に再発と治療中断の実態を調査し,合わせて投薬内容の検討を行った。
 その結果,精神分裂病者の治療中断は他の精神障害者より少なく,complianceは高いことがわかった。そして,精神分裂病者の治療中断は,男性に多く,30歳以前に多い傾向があり,治療中断が再発に結びついている者は,52.9%と多く,治療継続が再発防止の重要な1側面であることを示した。投薬内容の面からは,多剤併用・大量投薬の病者および処方問題の多い医師の担当患者に,再発も治療中断も多く,多剤併用でも大量投薬でも再発は防ぎきれず,かえって,complianceの低下から治療中断を招くと考えられた。そして,個々の医師が患者の治療環境を考え常にリスクの少ない薬物療法を行う重要性を強調した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?