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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻5号

1993年05月発行

研究と報告

悪性症候群の治療経過に関する検討

著者: 菊本修12 河相和昭1 横田則夫1 長田昌士1 早川浩1 石田百合1 田宮聡1 新野秀人1 本橋伸高1 山脇成人1 杉原順二13

所属機関: 1広島大学医学部神経精神医学教室 2現,社会保険広島市民病院神経科 3現,国立呉病院精神科

ページ範囲:P.507 - P.513

文献概要

 【抄録】 最近当科に入院した悪性症候群患者8例の治療経過に関して検討した。薬物療法としてdantroleneが6例,bromocriptineが2例に投与され,全例悪性症候群は軽快し,後遺症のみられた症例はなかった。悪性症候群の経過としては,一般的には2週間,重篤な症例では3週間と考えられた。dantroleneによる治療中断後に血清CK値再上昇がみられ,治療経過が長引いた症例が存在したことから,悪性症候群として治療を開始した場合には,十分な期間投与を継続することが必要と思われた。悪性症候群発症初期に血清鉄値が低値を示し,症状軽快とともに血清鉄値が上昇した症例が存在したことから,血清鉄値が悪性症候群の病態の一部を反映している可能性が示唆された。向精神薬投与は,悪性症候群の軽快傾向がみられた時点,軽快直後,軽快1〜8週後に再開されていたが,悪性症候群の再発がみられた症例はなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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