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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻5号

1993年05月発行

文献概要

短報

性格変化が先行し,MRIにて中枢神経系に広範な病変を認めた中年発症のadrenoleukodystrophyの1例

著者: 桂城俊夫1 河西千秋1 山田芳輝1 井関栄三1 小阪憲司1

所属機関: 1横浜市立大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.529 - P.532

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 Adrenoleukodystrophy(ALD)は,遺伝性の脱髄性疾患で,脳・脊髄・末梢神経・副腎を侵し,生化学的には極長鎖脂肪酸が増加する。その臨床亜型に,O'Neillら5)のいうadrenoleukomyelo-neuropathy(ALMN)がある。これはchildhood ALDとadrenomyeloneuropathy(AMN)の臨床症状を合わせ持ち,精神症状,痙性対麻痺を主症状とする緩徐進行性疾患をいう。今回,頭部CTで明らかな所見がないにもかかわらず頭部MRIでは広範な所見があり,副腎機能低下および赤血球膜の極長鎖脂肪酸分析などの検査結果と臨床経過によりALMNと考えられる,性格変化が先行した中年発症の症例を経験した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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