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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻6号

1993年06月発行

文献概要

研究と報告

我が国における睡眠覚醒リズム障害の多施設共同研究—第1報:人口統計的研究

著者: 高橋清久1 森田伸行2 三島和夫3 東谷慶昭4 金子元久5 山崎潤6 樋口輝彦7 坂元薫8 佐々木司9 佐々木三男10 大川匡子11 山寺博史12 市川宏伸13 石束和嘉14 岡本典雄15 太田龍朗16 小森照久17 花田耕一18 杉田義郎19 金英道20 古田壽一21 田宮聰22 森本清23 江頭和道24 小鳥居湛25 高橋三郎18

所属機関: 1国立精神・神経センター武蔵病院 2北海道大学精神科 3秋田大学精神科 4山形大学精神科 5福島医科大学精神科 6埼玉医科大学精神科 7群馬大学精神科 8東京女子医科大学精神科 9帝京大学精神科 10慈恵会医科大学精神科 11国立精神・神経センター精神保健研究所精神生理部 12日本医科大学精神科 13梅ケ丘病院精神科 14山梨医科大学精神科 15浜松医科大学精神科 16名古屋大学精神科 17三重大学精神科 18滋賀医科大学精神科 19大阪大学精神科 20富山医科薬科大学精神科 21金沢大学精神科 22広島大学精神科 23岡山大学精神科 24産業医科大学精神科 25久留米大学精神科

ページ範囲:P.605 - P.614

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 【抄録】 非24時間睡眠覚醒症候群(NON-24),睡眠相後退症候群(DSPS)および不規則型睡眠覚醒リズムの3種類の睡眠覚醒リズム障害を対象に26施設からなる多施設共同研究を行った。患者はマスメディアを介するリクルートによった。総計128名のリズム障害が同定されたが,そのうち36名に精神障害または人格障害が認められ,このような障害が認められない92名の患者について解析を行った。NON-24およびDSPSが全体の74%を占め,平均発症年齢は10代後半で,平均受診年齢は20代前半であった。男女比は8:5で男性が多かった。発症の誘因が半数以上に認められ,誘因となるものは対人関係,進学,就職,その他の環境変化であった。元来夜型のものが圧倒的に多く,特にDSPSではその傾向が強かった。精神障害の既往は不登校を含めると約20%に認められ,遺伝負因は約14%に認められた。DSPSの大多数は午前2時から4時の間に就眠していた。現代の夜型社会は睡眠覚醒リズム障害を増加させると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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