icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻6号

1993年06月発行

文献概要

研究と報告

右半球に低代謝所見を認めた「痴呆なき痴呆」の症例検討

著者: 波多野和夫1 堀川義治2 富野順子3 松井明子4 中西雅夫5 濱中淑彦6

所属機関: 1国立京都病院精神神経科 2京都府立医科大学脳神経外科 3洛和会音羽病院言語室 4八事病院言語室 5県立多治見病院精神科 6名古屋市立大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.643 - P.648

文献購入ページに移動
 【抄録】 着衣障害,視覚構成障害,地誌的障害などの右頭頂葉症状群を呈し,これが徐々に進行した症例(HS)を報告した。CT・MRIなどでは明確な病変部位は明らかにされず,PETによって右半球頭頂葉の低代謝所見が得られた。本例は当初,痴呆症状がほとんど認められなかったが,右半球症状の進行と共に,徐々に痴呆化した。またこれまで我々が経験した症例(ST,他3例)と照合しつつ,本例の症候論的検討を行い,緩徐進行性失語などをも含む,いわゆる「痴呆(症状)なき痴呆(疾患)」の臨床神経精神医学的な位置づけを模索した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?