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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻6号

1993年06月発行

短報

Clonazepam断薬後,けいれん発作と亜昏睡状態および筋強剛の増悪を呈した1症例

著者: 竹内文一12 小林利雄1 庄田秀志1 小片寛1

所属機関: 1信州大学医学部精神医学教室 2現,村井病院

ページ範囲:P.655 - P.658

文献概要

 clonazepamは,benzodiazepine系薬物の中でも抗けいれん作用の強力な,抗てんかん薬の1つである。また双極性感情障害1,2)・tardive dyskinesiaの治療3),benzodiazepine系薬物からclonazepamへの置換療法4)などの報告がある。一方,clonazepam自体の退薬現象がletterの形で報告5,6)もされている。
 我々は,ある分裂病患者の下顎に限局する振戦を,tardive dyskinesiaと疑い,clonazepamを与薬漸増した。治療開始7週間後,治療効果が認められないと判断して与薬を中止。断薬4日後,亜昏睡と同時に筋強剛の増悪が2日間続き,その期間中に全身強直性けいれんが1回認められた。clonazepamの退薬症状が疑われたので,既報の症例と比較検討して報告したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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