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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻7号

1993年07月発行

文献概要

研究と報告

恐慌性障害の症例研究:3—DSM-Ⅲ-Rによる診断とICD-10 DCRによる診断との比較

著者: 塩入俊樹1 村下淳1 加藤忠史1 高橋三郎1

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座

ページ範囲:P.729 - P.735

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 【抄録】 DSM-Ⅲ-R診断基準によって診断された恐慌性障害の166症例に,第10回改正版国際疾病分類研究用診断基準(ICD-10 DCR)を適用し,以下の結果を得た。(1)DSM-Ⅲ-Rにより恐慌性障害と診断された者のうち,ICD-10 DCRの恐慌性障害の診断にも適合した者は全体の65.1%であった。(2)症状項目数の基準に関しては,DSM-Ⅲ-Rの恐慌性障害の93.4%がICD-10 DCRの基準を満たすが,発作頻度の基準に関しては,69.9%の者しかICD-10 DCRの基準を満たさない。したがって,ICD-10の恐慌性障害の診断基準では,発作頻度の違いがDSM-Ⅲ-Rに比べ診断範囲を狭くしていた。(3)恐慌発作時の示される症状項目中,重症度と有意な相関があったものは,呼吸困難,身震い/振戦,発汗,紅潮/冷感の4症状で,これらは恐慌発作の中心症状とみなしうるが,たまたまこれらのうち3つまでも,ICD-10 DCRの自律神経性症状と指定されたものに含まれている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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