icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻7号

1993年07月発行

文献概要

研究と報告

救急病院における自殺研究—服薬自殺未遂患者の検討

著者: 先崎章12 諏訪浩23 渋谷陽子4 浦嶋シン子4 鈴木孝男4 松島英介12 守屋裕文4

所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神医学教室 2元,東京都立広尾病院神経科 3獨協医科大学精神神経科 4東京都立広尾病院

ページ範囲:P.737 - P.743

文献購入ページに移動
 【抄録】 3年間に都立広尾病院救急外来を受診した自殺および自殺企図患者255例中,薬物手段群は108例(42.4%)であった。薬物手段群では,①40歳未満の女性で,②神経症・人格異常圏であり,③過去に自殺未遂歴があることが多いという特徴があった。服薬物を内容別にみると,医師から処方された睡眠導入剤を中心とする向精神薬を用いたものが55.6%を占めた。市販薬では,プロムワレリル尿素剤の使用が目立った。精神分裂病圏の場合,幻聴や妄想などの病的体験に基づいて自殺企図したもの(病的体験群)と,社会復帰の過程で病気や将来を苦にして自殺を企図したもの(悲観群)に分けられたが,悲観群が過半数を占めた。躁うつ病圏の場合,訴えの少なさゆえに,精神科に依頼がされないまま退院となった例が4例あった。神経症・人格異常圏の患者の多くで情緒不安定,衝動的,他罰的な傾向を認め,治療者が患者に振り回され治療に苦心することが多く,医療者側の話し合いの場が心要とされた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら