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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻7号

1993年07月発行

文献概要

研究と報告

高CPK血症と低K血症が合併した急性水中毒症の1例

著者: 竹内康三1 外園善朗2 福迫剛2 平川究緑2 大迫政智1 藤元登四郎3 滝川守国2 松本啓2

所属機関: 1鹿児島県立姶良病院 2鹿児島大学医学部神経精神医学教室 3南日本健康科学センター

ページ範囲:P.767 - P.770

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 【抄録】 多飲によって,意識障害を来し急性水中毒症と診断された精神分裂病患者の1例を報告し,水中毒症の病態について考察した。
 症例は70歳の女性で水道水の多飲後,昏睡状態となりトイレの前に倒れているのを発見された。低Na血症より急性水中毒症と診断され,頭部CT検査にてびまん性脳浮腫が認められた。低Na血症の改善によって脳浮腫と意識障害は速やかに消失した。治療経過中,血清K値の低下と血清CPKの上昇が認められ,血清K値の低下が血清CPKの上昇を伴う筋崩壊の引き金になった可能性が考えられた。水中毒症の病態生理を考察し,水中毒症にしばしば認められる低K血症への留意を強調した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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