文献詳細
研究と報告
文献概要
【抄録】 1978年11月から1986年9月までに都立松沢病院精神科救急病棟へ入院したホームレス精神障害の71例について病歴調査を行い,次の結果を得た。①疾病分類は,精神分裂病36.6%,アルコール関連疾患33.8%,覚醒剤精神病16.9%で全体の87.3%を占めていた。②年齢分布は,30代が最も多く,次いで40代が多かった。③配偶関係では,未婚が極めて多く,離婚も多くみられた。④15歳以前に父ないし母あるいはその両方との離死別体験が多かった。⑤逮捕・犯罪歴が多くみられた。⑥浮浪形成過程は疾病ごとに異なる傾向があり,4型に分類できた。Ⅰ型(分裂・アルコール型):発病・常習→放浪→上京→浮浪,Ⅱ型(分裂病型):上京→放浪→発病→(放浪)→浮浪,Ⅲ型(アルコール型):常習→上京→放浪→浮浪,Ⅳ型(覚醒剤型):放浪→(常習)→上京→常習→(放浪)→浮浪。
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