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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻8号

1993年08月発行

短報

健常者の気分・行動の季節性変化に関する小調査—自己記入式質問票Seasonal Pattern Assessment Questionnaireを用いて

著者: 加茂登志子1 加茂康二1 中平進1 坂元薫1

所属機関: 1東京女子医科大学神経精神科教室

ページ範囲:P.837 - P.840

文献概要

 1984年に季節連関性感情障害(Seasonal Affective Disorder,以下SAD)5)が報告されてから,従来指摘されてきた感情障害の季節連関性が再び関心を集めているのは周知の通りである。しかし,特定の感情病者ならずとも,一般的に我々の心身の状態が季節変化によって影響を受けることもまたよく知られている事実である。精神疾患という枠を取り払い,季節変化にほとんど影響を受けない群と,SADのように季節変化が症状の消長にまでつながる著しい影響を受ける群を両極にして,我々の季節性が互いに連続性を持ち,スペクトラムとしてつながる可能性も示唆されている3)ことから,健常者の気分や行動の季節性変動の研究は,前臨床的な領域を含めて,今後の重要な課題になりうるであろう。
 健常者を対象にした季節性の研究はまだ一部の筆者らに限られており,特に本邦での具体的資料は少ない。今回,我々は健常者の季節性を調査する予備的試みとして,20代の女性を対象に自己記入式質問票を用いて季節性の調査を行ったのでこれを報告し,さらに季節に影響を受けやすい群と受けにくい群について比較検討する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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