icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻8号

1993年08月発行

「精神医学」への手紙

Letter—「法外」とは法外な/Letter—「大量かつ長期にわたるalprazolam乱用の1例」に関して

著者: 岡田靖雄1

所属機関: 1精神科医療史研究会

ページ範囲:P.904 - P.905

文献概要

 精神科医はことばに敏感とおもっていたが,どうもそうでもないらしい。精力的にことばを論じている人が,平気で「文盲」の語をつかったりする。いまわたしがもっとも気になっているのは,「法外入院」,「法外施設」の「法外」である。大谷實氏のような法律学者もこの語をつかっている。
 法律用語辞典をみると,「法外」の語はなく,労働組合法の条件を具備しない「法外組合」の語だけがのっている。手もとの「広辞苑」(初版のものだが)をめくると,「法外」は“①定まった法にはずれること。②程度をこえること,過度。なみはずれ。とてつもないこと。「――な値段」”とある。「法外」には,非合法とまではいかぬが,常識はずれといった非難の意味合いがあるのである。すると,とくに「法外入院」などいうと,いかにも問題のあるやり方のようで,精神科医のやることはわけがわからん,といわれそうである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら