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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻9号

1993年09月発行

文献概要

研究と報告

側頭葉てんかん患者のMRIによる脳の形態変化に関する定量的検討

著者: 先崎章1 大久保善朗1 阿部哲夫2 松浦雅人1 森岩基3 浅井邦彦2 融道男1

所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神医学教室 2浅井病院 3東芝林間病院神経精神科

ページ範囲:P.935 - P.941

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 【抄録】 CTおよびMRIにおいて視察的に明らかな異常を認めない側頭葉てんかん患者30名と正常対照者20名とを比較し,側頭葉てんかん患者における側頭葉内側部を中心とする脳の変化について定量的に検討した。
 ①てんかん群では正常対照群に比較して側頭葉内側部が有意に小さく,同部位のT1値が有意に高く,海馬・扁桃体を中心とする部位の萎縮,水分含有量の増加が示唆された。②てんかん群の側頭葉内側部の大きさの左右差は,正常対照群での左右差と比較して有意差はなく,てんかん群では同部位が両側性に変化している可能性が示唆された。③幻覚妄想を呈した群(9例)では,第3脳室の断面積が有意に大きかった。これは幻覚妄想群では,第3脳室周囲の構造物に変化がある可能性を示す結果と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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