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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻9号

1993年09月発行

文献概要

研究と報告

うつ病の経過に伴う身体症状の変化

著者: 田所千代子1 宮岡等1 上島国利1

所属機関: 1昭和大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.967 - P.973

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 【抄録】 DSM-Ⅲ-Rで大うつ病ないしは双極性障害うつ病性と診断された精神科入院患者106例につき,退院時におけるハミルトンの抑うつ評価尺度から,身体症状・愁訴項目として身体的不安,消化器系の身体症状,一般的な身体症状,心気症,体重減少を抽出した。そして,それらの得点が0点である群(A群)と1点以上の群(B群)とに大別し,身体症状の経時的変化などを比較検討して以下の結果を得た。1)うつ病相の身体症状は消化器症状をもって発現することが多いが,循環器症状が残存しやすい。2)B群ではA群に比し身体症状発現から精神症状発現までの期間が長く,より多くの身体科を受診していた。また性差では女性が,診断では大うつ病がB群に有意に多く年齢もB群がより高齢であった。3)A群では精神症状の改善に伴い身体症状は速やかに消退したが,B群では入院時より身体症状が前景を占め,精神症状の改善した時点でもかなりの身体症状が残存していた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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