icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻9号

1993年09月発行

文献概要

短報

抗てんかん薬ゾニサミドと炭酸リチウムの併用が効果を示したrapid cyclerの1例

著者: 中村純1

所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.1003 - P.1005

文献購入ページに移動
 最近のうつ病の経過の特徴としてうつ病の遷延化が挙げられる。その原因のひとつにrapidcycler出現の問題がある。Dunnerら5)は,1年間に4回以上の躁またはうつ病相を持つ双極性障害患者をrapid cycling affective disorder(RCAD)と定義し,そのような患者をrapid cyclerと呼んだ。
 今回,基礎実験においても臨床効果についてもカルバマゼピンと同様の作用があるとされる新しい抗てんかん薬ゾニサミド7,11,3)と炭酸リチウムを併用し,効果を示したrapid cyclerの1例を経験したので報告する。なお,本症例の躁状態とうつ状態,それぞれの病相での甲状腺機能,直腸温および睡眠ポリグラフィーの変化についてはすでに発表14)しており,今回は治療について報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?