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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻9号

1993年09月発行

文献概要

短報

CTおよびMRI検査後結実・増悪した空間恐怖の1例

著者: 三田達雄1 中井隆1 村上直也2 北村登2 小川恵3

所属機関: 1大阪府済生会中津病院精神神経科 2神戸大学医学部精神神経科学教室 3兵庫県立光風病院

ページ範囲:P.1006 - P.1008

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 MRI検査に伴い被検者はしばしば一過性の不安や恐怖に見舞われる3〜5,11,12)。時には不安や恐怖は恐慌にまで至り,検査を中断せざるをえない場合もある3,5,8,9)。また,検査後に閉所恐怖7)や空間恐怖10)が生じ,長期間持続したとの報告もある。このようにMRI検査の心理的侵襲性が最近注目されているが,被検者をMRI検査と類似の状況におくCT検査の心理的侵襲性については報告がない。ここで提示するのはCTおよびMRI検査が空間恐怖の結実ないし増悪の契機となったと考えられた症例である。この症例の一部はすでに紹介している3)が,本稿では両検査の空間恐怖の結実・増悪の過程への関与を詳しく報告する。また,両検査における空間恐怖的状況を比較したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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