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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻1号

1994年01月発行

巻頭言

内因・外因・心因

著者: 太田龍朗1

所属機関: 1名古屋大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.4 - P.5

文献概要

 精神科領域における診断分類は,学派や国状によって様々であるが,近年,アメリカ精神医学会のDSMにみられるような構造化された評価法によって行われる診断や分類が多くなり,本邦でもこれらの応用が盛んになりつつある。しかしながら,これらの方式は他科の医療従事者や,ましてや一般の人々に精神の病いを説明するには複雑すぎていささか困難を伴う。その点ではつい先頃まで看護学の教科書などには残っていたヨーロッパ流の原因別分類は理解しやすく,聞く側の言葉で表すことができる点で借り物の感じがなく,説明が素直なものになる。近頃多軸診断的な分類法の中にもintrinsicとかextrinsicといった用語が用いられることがあるのも,こうした状況によるものであるし,古典的な欧風の分類法が見直されている証左でもあろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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