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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻1号

1994年01月発行

特集 精神科治療の奏効機序

[精神分裂病の治療]

定型的抗精神病薬

著者: 倉知正佳1 鈴木道雄1 柴田良子1 谷井靖之1

所属機関: 1富山医科薬科大学医学部精神神経医学

ページ範囲:P.6 - P.10

文献概要

■はじめに
 定型的抗精神病薬とは,クロールプロマジンやハロペリドールなど従来から用いられている抗精神病薬のことで,これらに共通する特徴として,①薬理学的にドパミン(DA)受容体遮断作用があり,②幻覚,妄想,自我障害などのいわゆる陽性症状には奏効するが,自発性欠如や感情鈍麻などの陰性症状への効果は乏しいことが挙げられる(Crow,1980)。
 これらの薬物の奏効機序として問題になるのは,①脳内のどのDA系への作用が治療効果に関連するかということと,②DA受容体遮断を通じて,その機能状態に変化がもたらされる,主に陽性症状に関連する神経回路12)はどこかということである。これらの問題を解明していくためには,DAニューロンだけでなく,後シナプスのニューロンや脳各領域の機能変化,さらに患者での所見も考慮した検討が必要と思われる。そこで,ここでは,このような観点から主な所見を概観することにしたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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