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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻1号

1994年01月発行

特集 精神科治療の奏効機序

[精神分裂病の治療]

非定型抗精神病薬

著者: 松原繁広12 松原良次13 久住一郎1 小山司1 山下格14

所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室 2現,市立小樽第二病院精神科 3現,道立向陽ケ丘病院精神科 4現,医療法人社団慈藻会平松病院

ページ範囲:P.11 - P.15

文献概要

 近年,抗精神病作用を示すにもかかわらず錐体外路系副作用の出現が少ないことにより特徴づけられる,いわゆる非定型抗精神病薬が注目されており,またその開発も活発である。その背景には,副作用に関する利点に加え,錐体外路系副作用を伴う古典的な,すなわち定型的抗精神病薬の有効性の限界が明らかになってきたこと,Kaneら1)の綿密な臨床研究により,非定型抗精神病薬のプロトタイプであるclozapineが,定型的抗精神病薬の代表であるchlorpromazineと抗コリン薬の併用投与に比し陽性症状のみならず分裂病のいわゆる“陰性症状”に対しても有意に優れた効果を示すことが報告されたこと,などがあるように思われる。
 我々3)は先に,本誌第33巻において非定型抗精神病薬の薬理学的特徴について述べた。本稿ではその後の我々の研究結果を踏まえ論じてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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