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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻1号

1994年01月発行

文献概要

特集 精神科治療の奏効機序 [神経症圏障害の治療]

Panic disorderの薬物治療

著者: 田所千代子1 上島国利1

所属機関: 1昭和大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.49 - P.53

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■はじめに
 Panic disorder(以下PD)は本邦での慣習的な病名では,急性の不安発作ないしは頻発する不安発作を有する不安神経症にほぼ匹敵するものといえよう。一般に神経症とはその根本に不安があり,その不安は何らかの心理社会的背景を持ち,状況依存性に発生したものとみなされてきた。しかしながら,PDはなんら原因なく突然不安が発作的に生ずることを大きな特徴としており,通常の状況反応的な不安発作とは異質なものであることが示唆される。また,従来の抗不安薬に十分反応せず,三環系抗うつ薬や高力価のbenzodiazepine系抗不安薬(以下BZs)が奏効するといった臨床的治療的側面を有し,特定の薬物などによりpanic attack(以下PA)が誘発できることから,PDは不安の生物学的なメカニズムを考える上での臨床モデルともいえよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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