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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻1号

1994年01月発行

文献概要

特集 精神科治療の奏効機序 [神経症圏障害の治療]

強迫性障害の薬物治療

著者: 中嶋照夫1 多賀千明1

所属機関: 1京都府立医科大学精神神経科

ページ範囲:P.54 - P.58

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■はじめに
 強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder;OCD)に対し行動療法と薬物療法の有効性が明らかになった。薬物療法,特にclomipramine(CMI)をはじめとしたセロトニン再取り込み阻害薬(serotonin reuptake inhibitor;SRI)の有効性が証明されたことにより病態の神経生物学的メカニズムが議論されるようになった。そしてセロトニン受容体アンタゴニストであるmetergolineやアゴニストであるm-chlorophenylpiperazine(m-CPP)を用いた強迫症状誘発試験から,セロトニン仮説が提唱されている。治療薬剤に関してもSRIの中からセロトニン再取り込み阻害作用を特異的に有する選択的セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitor;SSRI)が開発され,その有効性が証明されつつある。
 今回このようなOCD研究の現状を踏まえながら,薬物治療効果判定のための症状評価,各種薬剤の治療成績,さらに病態因としてのセロトニン仮説について紹介し,SSRIの奏効機序について考察したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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