icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻1号

1994年01月発行

特集 精神科治療の奏効機序

悪性症候群の薬物治療

著者: 西嶋康一1 石黒健夫1

所属機関: 1自治医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.65 - P.68

文献概要

■はじめに
 悪性症候群は,高熱,筋強剛などの錐体外路症状,多彩な自律神経症状,意識障害などからなる向精神薬の治療中に出現する副作用である。1960年代Delayら2)によって「向精神薬の副作用のうちで最も重篤だが,最も認識されていない稀な病態」として紹介された。事実,当時の死亡率は20%以上であったが,1980年以降その死亡率は徐々に低下し,現在は10%以下になっている26)。その最も大きな理由は,悪性症候群の知識が普及し,早期に適切な対応がなされるようになったことによる。さらに,最近はいくつかの有力な治療薬が登場したことも,その予後の改善に影響を与えていることは否定できない。これまでに悪性症候群に対してはいろいろな薬物が試みられてきたが(表),本稿では,ある程度その報告例が多く,その有効性が確認されているものについて解説し,合わせてその薬理学的奏効機序について述べることにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら