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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻1号

1994年01月発行

文献概要

研究と報告

慢性有機溶剤乱用者の中枢神経障害—画像診断による検討

著者: 岡田真一1 山内直人1 児玉和宏1 坂本忠1 平井慎二2 内田佳孝3 佐藤甫夫1

所属機関: 1千葉大学医学部神経精神医学教室 2国立下総療養所精神科 3君津中央病院放射線科

ページ範囲:P.75 - P.82

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 【抄録】 有機溶剤乱用患者13例(男性11例,女性2例)を対象に画像診断(MRI,SPECT)を施行した。上肢の失調,歩行障害などの神経症状を呈した3症例のうち2症例にMRIで局所性の信号異常が認められた。異常所見は,大脳深部白質,内包後脚,橋腹側,小脳白質のT2延長病変であり,原因として脱髄が推測された。局所信号異常を呈した2例はいずれも13歳から吸引を開始しており,また吸引開始時年齢と動作性IQの間には,相関係数r=0.84で有意な相関を認め,開始時年齢の重要さが示唆された。SPECTの視察的判定で対象11例中,血流低下が両側前頭葉で2例,右前頭葉で2例,両側小脳半球で2例認められ,正常は6例であった。脳血流半定量値とamotivational syndromeの指標としたSANS第三項目:意欲・発動性スコアの関連を検討した結果(N=9),左前頭葉血流とSANS第三項目スコアとの間に負の相関が認められた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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