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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻1号

1994年01月発行

文献概要

研究と報告

摂食障害における31P-MRS

著者: 加藤忠史1 高橋三郎1 塩入俊樹1 村下淳1 犬伏俊郎2

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座 2滋賀医科大学分子神経生物学研究センター

ページ範囲:P.83 - P.87

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 【抄録】 摂食障害患者5名について,脳の31P-MRS(磁気共鳴スペクトロスコピー)測定を行った。内訳は,anorexia nervosa(AN)1名,AN+BN(bulimia nervosa)3名,特定不能のeating disorder(ED)1名である。年齢の一致した正常被検者13名における平均値±2SD以内を正常値としたところ,異常値を示したものは正常者では13名中2名であるのに対し,患者では全例が何らかの異常値を示した。患者群ではリン酸ジエステル(PDE),クレアチンリン酸,無機リン酸のピーク面積,β-アデノシン3リン酸およびリン酸モノエステルの化学シフトに異常値がみられた。治療前の患者ではPDE(リン酸ジエステル)が有意に高く,治療後には正常値以下に低下していた。これらの結果は,神経性無食欲症における脳萎縮の原因として,神経細胞の変性が関係していることを示唆するかもしれない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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