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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻10号

1994年10月発行

文献概要

研究と報告

家族の感情表出(EE)と分裂病患者の再発との関連—日本における追試研究の結果

著者: 伊藤順一郎1 大島巌2 岡田純一3 永井將道4 榎本哲郎5 小石川比良来5 柳橋雅彦6 岡上和雄7

所属機関: 1国立精神・神経センター精神保健研究所社会復帰相談部 2東京都立大学社会福祉学科 3千葉県精神科医療センター 4(財)自動車事故対策センター 5国立精神・神経センター国府台病院 6千葉大学医学部精神医学教室 7中央大学法学部

ページ範囲:P.1023 - P.1031

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 【抄録】 欧米諸国で評価の確立しつつあるEE(Expressed Emotion)を用いた,日本における精神分裂病の再発予後についての研究を行った。
 9カ月の追跡調査の結果,患者家族の関係が高EEと評価される群の再発率は低EEと評価される群のそれに比して有意に高いことが実証された。また服薬遵守との関連では,EEの高低が服薬遵守よりも再発予測に関連しているとの結果が本研究では出た。加えて,服薬遵守自体がEEの高低,とりわけ批判・敵意と相関にあり,批判・敵意の少ない環境下では服薬遵守もよくされていることが指摘できた。一方,EEの下位尺度の分布について本研究でみられた特徴を先行研究と比較すると,全体的に得点が低めであるという傾向がみられたが,下位尺度間の主な関係などは欧米の代表的な研究に準じた分布をしていることが認められた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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