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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻10号

1994年10月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病の5年転帰—新潟大学精神科外来患者についての検討

著者: 坂戸薫1

所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.1033 - P.1039

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 【抄録】 新潟大学医学部附属病院精神科外来を2年間に初診した患者のうち,発病後3年以内に初診したと判断された比較的新鮮な精神分裂病患者117名の5年転帰について調査した。調査時点で77名の転帰が判明し,39名(50.6%)が転帰良好,38名(49.4%)が転帰不良と評価された。本研究の結果は,従来の研究と異なっていたが,これは対象となった患者構成の違いによるものであった。本研究の結果には,治療継続中の患者だけでなく治療を中断した患者も対象に含んでいた。この点で,本研究の結果は,患者の転帰全体がよりよく反映されていると考えられた。治療中断者の転帰については,従来の見解とは逆にむしろ不良である可能性が示唆された。予後予測因子に関する検討では,病前の就労状況と治療継続性の良否が転帰の良否と関連している可能性が考えられた。いずれも従来の結果を支持するものであった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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