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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻10号

1994年10月発行

研究と報告

外来治療を中心とする総合病院精神科患者の自殺

著者: 石原武士1 山本佳子2 山本博一3 横山茂夫3

所属機関: 1岡山大学医学部神経精神医学教室 2現,幡病院 3川崎医科大学附属川崎病院

ページ範囲:P.1057 - P.1064

文献概要

 【抄録】 精神科患者の自殺に関する報告は多数あるが,外来患者を中心とした報告は少ない。
 川崎病院精神科は総合病院の中で一般混合病棟約20床を持ち,外来通院治療を中心とする。我々は1984年4月の診療開始から1992年12月までに,入院中の自殺2例を含む34例の自殺既遂例を経験した。内訳は男性18例,女性16例,診断は躁うつ病圏19例,分裂病圏7例,神経症6例,適応障害,器質性精神病各1例であった。これら34例についてカルテからレトロスペクティブに死亡年齢,自殺手段,自殺未遂歴,治療期間,通院状況,自殺念慮などのカルテ記載の有無,家族状況などを検討した。神経症の自殺者では自殺念慮が見逃されやすい傾向を認めた。また当科受診までの治療歴の有無や家族の治療へのかかわり方によって,自殺までの治療期間などに差がみられることも示された。これらの結果について考察を加え報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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