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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻10号

1994年10月発行

文献概要

研究と報告

アルツハイマー型老年痴呆の診断マーカーとしてのアポリポ蛋白E4

著者: 角田雅彦12 山口勇司1 大橋正和1 東島啓二1 湯野川淑子1 幸村尚史1 野村和広1 田部井篤1 引網純一12 山崎恒1 梅沢政功1 阿部照江1 野田明子1 小林信子1 小野田明1 田宮崇1

所属機関: 1田宮病院 2富山医科薬科大学医学部精神神経医学教室

ページ範囲:P.1077 - P.1080

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 【抄録】 アポリポ蛋白E4(アポE4)とα1-アンチキモトリプシンがアルツハイマー型痴呆の診断マーカーになるかどうかを検討した。対象は,T病院に入院中のアルツハイマー型初老期痴呆8例,アルツハイマー型老年痴呆15例,多発梗塞性痴呆15例と健常対照者12例で,診断は,頭部CT所見,Mini-mental state,Hachinski ischemic scoreを参考にDSM-Ⅲ-Rの診断基準を用いて行った。その結果,α1-アンチキモトリプシンはアルツハイマー型初老期,老年期いずれの痴呆でも,健常対照や多発梗塞性痴呆と有意差を認めなかった。アポE4はアルツハイマー型老年痴呆の73%にみられ,健常対照(0%),多発梗塞性痴呆(20%),アルツハイマー型初老期痴呆(25%)よりも有意に多かった。アポE4はアルツハイマー型老年痴呆の診断マーカーになるのではないかと考えられ,発病前に測定することによって,発病の予測にもなるかもしれない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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