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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻10号

1994年10月発行

短報

Tiaprideで寛解した皮膚寄生虫妄想の1例

著者: 前田潔1 山下光1 柿木達也1 山鳥重1

所属機関: 1兵庫県立高齢者脳機能研究センター

ページ範囲:P.1099 - P.1101

文献概要

 皮膚に虫などの小動物が寄生していると妄想的に信じ込み,それが見えるとか感じられると訴え,日常生活に支障が出てくるものは古くから皮膚寄生虫妄想として分類され,稀で特異な妄想症の1つとされている。通常は分裂病や薬物中毒の際にみられるものは除外され,これ以外の精神症状をほとんど認めないものが皮膚寄生虫妄想の純粋型とされている2)
 我々は肝硬変,糖尿病,慢性腎不全を伴った高齢女性に発症した皮膚寄生虫妄想を経験したので,その発症機転としての身体合併症について,また今までに報告のほとんどないSPECT所見について考察を加えた。また,本症にtiaprideを処方したところ3カ月の経過で症状は消失し,無投薬にもかかわらず以後3年以上再発をみなかった。本症例および他の報告を考え合わせ,tiaprideを本症に対する第一選択薬とすることを提唱したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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