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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻11号

1994年11月発行

文献概要

研究と報告

抗うつ薬とせん妄

著者: 山田尚登1 青谷弘1 高橋三郎1

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座

ページ範囲:P.1153 - P.1158

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 【抄録】 滋賀医科大学精神科神経科に入院し,抗うつ薬が投与されていた感情障害患者312名を対象として,抗うつ薬の重篤な副作用の1つであるせん妄について調査を行った。その結果,(1)抗うつ薬によるせん妄は10名で認められ,(2)60歳以上の高齢者においてのみ認められた。(3)抗うつ薬投与後せん妄を起こすまでの期間は4〜15日で,(4)せん妄が改善するまでに要した期間は5〜38日であった。(5)せん妄を起こした患者と起こさなかった患者で,CT所見の異常には差がみられなかった。(6)薬物によってせん妄の起こる頻度に差がみられ,投与薬物の中ではアミトリプチリンが高頻度にせん妄を引き起こしたが,(7)低用量の抗うつ薬においてもせん妄は認められた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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