icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻11号

1994年11月発行

文献概要

研究と報告

長期の経過をたどったにもかかわらず,初期Pick病の病理所見を呈した1例

著者: 池田学12 池田研二1 遠藤美智子3 羽賀千恵1 水谷喜彦4

所属機関: 1東京都精神医学総合研究所神経病理 2現,兵庫県立高齢者脳機能研究センター 3青木病院 4東京都立松沢病院神経内科

ページ範囲:P.1167 - P.1171

文献購入ページに移動
 【抄録】 左側頭葉前部に著しい限局性萎縮および両側前頭葉底面と側頭葉に多数のPick嗜銀球を認めながら,Pick病特有の臨床状態である欲動的脱制止(triebhafte Hemmungslossigkeit),考え不精(Denkfaulheit),特に側頭優位型に特徴的な滞続症状や語義失語などをほとんど示さず,20年(CTで限局性脳萎縮を確認できた時点から8年以上)の経過をたどった臨床と病理ともに特異な67歳,右利き女性のPick病の1例を報告した。本例の萎縮の拡がりはほぼ左側の側頭葉前半部に限局していたため,これらの症状を呈するには不十分であったと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?