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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻11号

1994年11月発行

文献概要

研究と報告

インターフェロン投与によりせん妄を呈したC型慢性肝炎の3例

著者: 佐々木信幸1 古瀬勉1 幸田久平2 中澤修2 深津亮3 高畑直彦3

所属機関: 1旭川赤十字病院精神神経科 2旭川赤十字病院内科 3札幌医科大学神経精神医学教室

ページ範囲:P.1173 - P.1179

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 【抄録】 C型慢性肝炎へのインターフェロン(IFN)α投与によりせん妄を呈した3例を報告した。C型肝炎のIFN療法による精神症状の特徴について検討を加え,悪性腫瘍の際みられる精神症状との比較をもとに,その発現機序について考察した。
 IFN投与に伴う意識障害の特徴は,悪性腫瘍群では精神運動抑制を中心とした意識混濁であり,慢性肝炎群では精神運動興奮を伴う意識変容である。高用量投与を行う悪性腫瘍群と,低用量投与を行う慢性肝炎群の際にみられる精神症状には多くの相違点があり,両群の精神症状の発現機序が異なる可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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