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研究と報告
感情障害エピソード反復の周期性と季節性
著者: 押谷葉子1 山田尚登1 高橋三郎1
所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座
ページ範囲:P.1197 - P.1202
文献購入ページに移動うつ病エピソードは春に,躁病エピソードは夏に最も多くみられた。また,大うつ病単一エピソードでは秋に第2のピークを示した。しかし,いずれも季節性に統計学的な有意の差はなかった。周期性に関しては,双極性障害では隣接するエピソードの間隔には明らかな周期性を認めなかったが,躁病エピソードが12カ月後の再発,また大うつ病反復性においても12,24カ月前後の再発が多く認められ,これらの感情障害が1年および2年後の同じ季節に再発する傾向が認められた。またこの傾向は躁病エピソードについては統計学的に有意であった。これらのことから発症の季節性または周期性について,感情障害の下位分類に差が認められ,しかも,大うつ病反復性のうつ病エピソードと双極性障害の躁病エピソードに12カ月を基本周期とする周期性が存在していることが示唆された。
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