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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻12号

1994年12月発行

文献概要

研究と報告

難治性精神分裂病の精神症状・行動評価と薬物療法の特徴

著者: 寺田倫1 堀彰1 綱島浩一1 武川吉和2 石原勇1 宇野正威1

所属機関: 1国立精神・神経センター武蔵病院精神科 2小田原市立病院精神科

ページ範囲:P.1245 - P.1250

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 【抄録】 武蔵病院に入院中の精神分裂病患者(ICD-10-JCM)258例を対象として難治性分裂病の精神症状と薬物療法の特徴を検討した。(1)対象患者を難治群(難治性分裂病の診断基準を満たす75例),対照群(入院期間が2年以上であるが難治性分裂病の診断基準を満たさない112例)に分けて検討した。(2)灘治群ではbehavioural withdrawal,neglected self-care,情意鈍麻・思考障害という陰性症状だけではなく,socially embarrassing behaviour,陽性症状である幻覚・妄想も重症であった。(3)灘治群は幻覚・妄想や問題行動を標的に多量の抗精神病薬が投与されているにもかかわらず,精神症状が改善しにくい薬物抵抗性の患者群であった。(4)灘治群ではlevomepromazineの投与割合が多く,感情調整薬である炭酸リチウム,carbamazepineがそれぞれ8%投与されていた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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