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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻12号

1994年12月発行

文献概要

短報

音楽性幻聴を認めた高度難聴の老年女性の1例

著者: 山森周子1 石野博志1

所属機関: 1島根医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.1277 - P.1279

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 音楽性幻聴とは,厳密には歌や旋律が外的刺激なしに聞こえてくる状態を指し,ハーモニー,リズム,音色だけの場合を含めることもある1)。一般的に幻聴は精神分裂病にもっとも頻度が高く出現するが,音楽性幻聴は聴力障害を持つ老年者に多いことが特徴である。我々は,高度な聴力損失状態に至った後に,音楽性幻聴を含む幻聴が出現した老年女性の1例を経験した。音楽性幻聴はまれであると言われているのでここに報告する。また,近年注目されてきている,視覚障害を持つ意識清明な老人に幻視が生じるCharles Bonnet症候群と類似性を示す点において興味深く思われたので比較し考察を加える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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