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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻12号

1994年12月発行

文献概要

短報

外来における人工呼吸管理下での筋弛緩剤を用いた電気けいれん療法の試み

著者: 仲本晴男1 兼島瑞枝1 渡嘉敷史郎1 外間宏人2 山本和儀1 小椋力1 平良豊3 比嘉政人3

所属機関: 1琉球大学医学部精神神経科 2 3琉球大学医学部麻酔科

ページ範囲:P.1281 - P.1284

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 電気けいれん療法(electroconvulsive therapy;以下ECT)は,向精神薬療法の進展に伴い,近年その使用は低下していたが,最近になり安全性,効果,経済性の点から見直されつつある3)。例えば米国における大学病院の入院患者における使用頻度は,1970年の4.4%が1980〜81年には2.9%と減少したものの10),1990年には少しずつ使用頻度も上がっている3)と報告されている。この時期に米国精神医学会はECT施行の安全性の確保などの目的から,全身麻酔に筋弛緩剤を併用し人工呼吸管理のもとで通電することを強く促す勧告書(Task Force Report,1990)1)を提出した。このことは,上記の勧告に従いECTを実施すれば本療法はより安全な治療法となりうることを示している。一方,我が国では,比較的多く施行していると思われる九州大学を例にとると1981〜89年の平均施行割合は3.6%4)であったが,呼吸管理などが煩雑なために,全国的にはまだ見直されるに至っていないと思われる。しかし最近になり米国におけるECTの現状を紹介する報告5)や筋弛緩剤を使用したECTの安全性と有効性についての治療経験6)が報告されるようになった。筆者らは外来において全身麻酔に筋弛緩剤を併用し,人工呼吸管理下でのECT施行を経験した。外来での上記方法を用いたECTは,我が国では筆者の知るかぎり報告されていない。そこで症例を提示し,安全性,有害反応,医療経済的な観点,今後の適応の拡大や課題などについて考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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