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シンポジウム アルツハイマー型痴呆の診断をめぐって
アルツハイマー型痴呆の臨床診断をめぐる諸問題
著者: 平井俊策1
所属機関: 1群馬大学医学部神経内科
ページ範囲:P.1291 - P.1298
文献購入ページに移動■はじめに
私に与えられたテーマはアルツハイマー型痴呆の臨床診断をめぐる諸問題ということである。アルツハイマー型痴呆の診断において,現在最も問題になっている点は,どのようにすれば早期に確定診断ができるかという点であると思われる。従来の臨床的診断法でも,典型例については,はっきりとした痴呆がみられる病期になれば,その診断はさほど困難ではない。しかし,より早期の診断,脳血管障害を合併している場合にアルツハイマー性因子もあるか否かの診断,あるいはアルツハイマー型痴呆との鑑別の難しい非アルツハイマー型の退行変性疾患による痴呆との鑑別診断などに困難を感じることが少なくない。このために画像診断や診断マーカーの面からの検討が行われている。ここでは,まず従来の診断方法について総括し,次に現在最も有用な画像診断法とされているPETの所見を自験例につき述べ,さらに診断マーカーとして我々が開発したα1-アンチキモトリプシン(以下ACT)や,やはり最近我々が検討している髄液内のβ蛋白の測定が,どの程度臨床診断上役立ちえるかについて述べる。
私に与えられたテーマはアルツハイマー型痴呆の臨床診断をめぐる諸問題ということである。アルツハイマー型痴呆の診断において,現在最も問題になっている点は,どのようにすれば早期に確定診断ができるかという点であると思われる。従来の臨床的診断法でも,典型例については,はっきりとした痴呆がみられる病期になれば,その診断はさほど困難ではない。しかし,より早期の診断,脳血管障害を合併している場合にアルツハイマー性因子もあるか否かの診断,あるいはアルツハイマー型痴呆との鑑別の難しい非アルツハイマー型の退行変性疾患による痴呆との鑑別診断などに困難を感じることが少なくない。このために画像診断や診断マーカーの面からの検討が行われている。ここでは,まず従来の診断方法について総括し,次に現在最も有用な画像診断法とされているPETの所見を自験例につき述べ,さらに診断マーカーとして我々が開発したα1-アンチキモトリプシン(以下ACT)や,やはり最近我々が検討している髄液内のβ蛋白の測定が,どの程度臨床診断上役立ちえるかについて述べる。
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