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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻2号

1994年02月発行

研究と報告

1私立病院における慢性精神分裂病患者の院外作業および通院患者リハビリ訓練の検討—尾崎の「回復スケール」による検討

著者: 先崎章12 鈴木洋子2 阿部哲夫2 中西亜紀2 宮本尚哉2 大久保善朗12 浅井邦彦2

所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神医学教室 2浅井病院

ページ範囲:P.149 - P.157

文献概要

 【抄録】 慢性期の精神分裂病患者60例に対して,1私立病院で医療者が治療の一貫としてかかわる院外職業リハビリテーション(以下,リハビリと略す)を行ったところ,約半数の症例でリハビリが成功して10例(17%)が一般就労に至った。成功例のうち,リハビリ開始時点で病院を生活の場としていた者(12例)の半数では生活の場が病院内より地域へと移行した。
 筆者らは,成功例では社会的相互作用に関する事柄が改善していたことを尾崎の「回復スケール」を用いることによって示した。リハビリが成功した例と失敗した例とでは,「回復スケール」の評価では,リハビリ開始時点ですでに「社会参加の広がり」をみる項目群のポイント数で差があったこと,さらに,再試行にて成功した例では初回試行で成功した例に比べて,リハビリ開始時点の「関係を営む際の柔軟性」をみる項目群のポイント数が高いレベルにあったことを示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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