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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻2号

1994年02月発行

文献概要

短報

眼球自己損傷を伴ったGilles de la Tourette症候群の1症例

著者: 柳橋雅彦1 安田聖子1 長谷川正士1 福留和美1 佐藤甫夫1

所属機関: 1千葉大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.203 - P.205

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■はじめに
 1885年にGeorges Gilles de la Touretteは慢性的運動性チックおよび言語性チックを伴った9例の患者のうち2例に自傷行為がみられたと報告している3)。その後,Gilles de la Tourette症候群(以下GTSと略)における自傷行為についてはいくつかの文献2,4,6)があるが,それらは身体を叩く,ぶつける,口唇を咬むなどが一般的である。しかし,眼球損傷の結果,永久的な視力障害を呈した報告は,筆者が検索したかぎり西田ら5)による右完全失明,左明暗弁別に至った例が報告されているのみで,国外でも数例7)しか見当たらない。
 今回,DSM-Ⅲ-Rの診断基凖1)を満たすGTSで,眼球自己損傷により両眼失明に至った後,筆者らの治療的関与により現在良好な社会適応を示している症例を経験したので,その臨床経過に若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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