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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻3号

1994年03月発行

文献概要

巻頭言

子どもの問題と時の流れ

著者: 稲垣卓1

所属機関: 1三重県立小児心療センターあすなろ学園

ページ範囲:P.228 - P.229

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 昭和30年代から40年代の初めにかけて,私の診察室を訪れる不登校児には,小学生が多かった。しかし,40年代の後半からは,小学生は減り,中学生,高校生が多くなった。やがて,学校に行かない子どもになぐられたりして来院するお母さんは珍しくなくなり,家庭内暴力という言葉が生まれた。
 その家庭内暴力も,最近ではそんな激しいものは少なくなり,物を投げる,物を壊すという程度のものが主流になったように思われる。家庭内暴力が軽症化し始めた昭和55年頃から校内暴力が多発し,60年前後に比して現在も発生件数は減少していないが,対教師暴力などの激しいものは半減した。中学校の校則の厳しすぎが問題になったのは,その頃からだったと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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