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巻頭言
子どもの問題と時の流れ
著者: 稲垣卓1
所属機関: 1三重県立小児心療センターあすなろ学園
ページ範囲:P.228 - P.229
文献購入ページに移動 昭和30年代から40年代の初めにかけて,私の診察室を訪れる不登校児には,小学生が多かった。しかし,40年代の後半からは,小学生は減り,中学生,高校生が多くなった。やがて,学校に行かない子どもになぐられたりして来院するお母さんは珍しくなくなり,家庭内暴力という言葉が生まれた。
その家庭内暴力も,最近ではそんな激しいものは少なくなり,物を投げる,物を壊すという程度のものが主流になったように思われる。家庭内暴力が軽症化し始めた昭和55年頃から校内暴力が多発し,60年前後に比して現在も発生件数は減少していないが,対教師暴力などの激しいものは半減した。中学校の校則の厳しすぎが問題になったのは,その頃からだったと思う。
その家庭内暴力も,最近ではそんな激しいものは少なくなり,物を投げる,物を壊すという程度のものが主流になったように思われる。家庭内暴力が軽症化し始めた昭和55年頃から校内暴力が多発し,60年前後に比して現在も発生件数は減少していないが,対教師暴力などの激しいものは半減した。中学校の校則の厳しすぎが問題になったのは,その頃からだったと思う。
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