icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻3号

1994年03月発行

文献概要

研究と報告

最近の松沢病院における外国人症例—特にアジア国籍症例と“外国人労働者”について

著者: 梅津寛15 木崎康夫25 坂口正道35 江畑敬介4 金子嗣郎4

所属機関: 1東京都立墨東病院神経科 2JR東日本中央保健管理所 3東京都立府中病院神経科 4東京都立松沢病院精神科 5都立松沢病院

ページ範囲:P.239 - P.247

文献購入ページに移動
 【抄録】 我々はかつて1978年11月から1985年3月まで(6年5カ月)の夜間休日精神科救急における外国人の入院症例を報告したが,今回,その後の事例,すなわち1985年4月から1991年3月まで(6年間)に入院となった外国人症例164例について,前回報告例と関連して,主として社会精神医学的側面から比較検討した。症例数は加速度的に増え,特に1989,90年度から著しい増加を見ている。他の地域は微増にとどまっているのに対し,アジアが102例と多いことが注目された。年齢は20,30代が82.4%と大半を占め,発症までの滞在期間は短期化している。来日後の発病時期は1カ月以下と1年以上の2つのピークが認められた。とりわけ最近の3年間のアジア国籍症例(77例)では,(不法)滞在—就労目的で長期滞在し,分裂病を発症するか反応性の病像を呈するものが目立った。そうした症例をいわゆる外国人労働者“Gastarbeiter”の精神障害の観点から考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?