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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻3号

1994年03月発行

文献概要

研究と報告

我が国における睡眠覚醒リズム障害の多施設共同研究—第2報:ビタミンB12および光療法の効果

著者: 高橋清久1 森田伸行2 三島和夫3 東谷慶昭4 金子元久5 山崎潤6 樋口輝彦7 坂元薫8 佐々木司9 佐々木三男10 大川匡子11 山寺博史12 市川宏伸13 石東和嘉14 岡本典雄15 太田龍朗16 小森照久17 花田耕一18 杉田義郎19 金英道20 古田壽一21 田宮聡2226 森本清23 江頭和道24 小鳥居湛25 高橋三郎18

所属機関: 1国立精神・神経センター武蔵病院 2北海道大学精神科 3秋田大学精神科 4山形大学精神科 5福島県立医科大学精神科 6埼玉医科大学精神科 7群馬大学精神科 8東京女子医科大学精神科 9帝京大学精神科 10東京慈恵会医科大学精神科 11国立精神・神経センター精神保健研究所精神生理部 12日本医科大学精神科 13東京都立梅ヶ丘病院精神科 14山梨医科大学精神科 15浜松医科大学精神科 16名古屋大学精神科 17三重大学精神科 18滋賀医科大学精神科 19大阪大学精神科 20富山医科薬科大学精神科 21金沢大学精神科 22広島大学精神科 23岡山大学精神科 24産業医科大学精神科 25久留米大学精神科 26県立広島病院精神科

ページ範囲:P.275 - P.284

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 【抄録】 睡眠覚醒リズム障害患者73名(内訳:非24時間睡眠覚醒症候群12名,睡眠相後退症候群(DSPS)48名,不規則型睡眠覚醒リズム9名,長時間睡眠者4名)に対してビタミンB12投与および高照度光照射の治療効果を検討した。ビタミンB12投与によって非24時間睡眠覚醒症候群の66.7%,DSPSの27.1%,不規則型の22.2%,長時間睡眠者の50%に中等度以上の効果がみられた。ビタミンB12が無効の症例にビタミンB12を投与しつつ,2,500〜3,000luxの高照度光照射を行ったところ26.7%に中等度以上の治療効果が認められた。体温リズムを同時に計測した場合,治療により睡眠相が前進した例ではリズムの位相の前進も同時にみられた。これらの事実は副作用がほとんどないと思われるこれらの治療法が睡眠覚醒リズム障害に有効であることを示唆する。しかしながら,治療効果の発現が心理・社会的要因と関連していたと思われる症例が高率にみられたことは,これらの治療法の持つプラセボ効果も考慮しなければならないことを示唆している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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