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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻3号

1994年03月発行

文献概要

研究と報告

感情障害患者の脳室拡大について—線分法を用いた検討

著者: 村下淳1 加藤忠史1 塩入俊樹1 濱川浩1 犬伏俊郎2 高橋三郎1

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座 2滋賀医科大学分子神経生物学研究センター

ページ範囲:P.285 - P.290

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 【抄録】 感情障害患者71例のMRI(magnetic resonance imaging)像において線分法を用い,脳室拡大を検討したところ,Evans ratioに関しては,双極性障害群および大うつ病群ともに対照群に比較して有意の変化は認められず,3群すべてにおいて年齢との有意の相関は得られなかった。またHuckman numberは,双極性障害群では大うつ病群および対照群に比し,有意に高い値を示した。また大うつ病群のみ年齢との間に有意な正の相関がみられた。尾状核間最小距離(MDCN)については,双極性障害群のみ対照群に比し増大しており,さらに双極性障害群と大うつ病群ともに年齢との問に正の相関が認められた。以上のことから,感情障害者群では年齢とともに脳室が拡大し,その傾向は特に大うつ病群において強く,さらに尾状核の萎縮は大うつ病群より双極性障害群で強い可能性が示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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