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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻3号

1994年03月発行

短報

インターフェロン投与でうつ状態と脳波異常を呈した慢性C型肝炎の1症例—アミトリプチリンによる治療効果

著者: 鎌田光宏1 樋口久1 山田暢夫2 菱川泰夫1

所属機関: 1秋田大学医学部精神科学教室 2厚生連由利組合総合病院消化器内科

ページ範囲:P.313 - P.315

文献概要

 近年,C型肝炎の治療法として,インターフェロン(IFN)が広く用いられてきており,その副作用として心筋症,自己免疫疾患の悪化などがみられることがあり4),時には精神・神経系の副作用として,うつ状態,せん妄,幻覚・妄想状態,躁状態が発現することが報告されている6,8,9)。悪性腫瘍に対する使用の際には,脳波異常がみられたことも報告されており6,7),IFNが中枢神経系に及ぼす作用が注目されている。しかし,慢性C型肝炎での使用中に精神症状が発現した症例において脳波を経時的に観察した報告は少なく,また,IFN投与中に精神病治療薬などの薬剤が脳波に及ぼす影響を検討した報告はみられていない。
 今回,我々はIFN投与により,うつ状態と脳波異常を同時に呈した症例に対し,抗うつ薬であるamitriptylineを投与したところ,うつ状態と脳波異常が共に改善し,その経時的変化をみることができたので,ここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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