文献詳細
短報
Klüver-Bucy症候群を呈した転移性脳腫瘍の1例
著者: 新野秀人1 矢野哲生2 杉山みちる3 神田晃4 山脇成人1
所属機関: 1広島大学医学部神経精神医学教室 2広島県厚生連吉田総合病院精神神経科 3広島県厚生連吉田総合病院内科 4児玉病院
ページ範囲:P.316 - P.318
文献概要
KlüverとBucyは,1937年にサルの海馬・扁桃核を含む両側側頭葉切除の際に観察された特異な精神症状群を報告した6)。その報告以来,精神外科的侵襲4)・脳炎2)・脳血管障害10)・初老期痴呆1)・頭部外傷11)など様々な原因によってヒトにおいても類似の症状が認められたという報告がみられるようになった。このたび我々は,転移性脳腫瘍を有する患者においてKlüver-Bucy症候群(以下,KB症候群)を呈した症例を経験したので報告する。
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