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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻4号

1994年04月発行

文献概要

研究と報告

Klüver-Bucy症候群を主徴として単純ヘルペス脳炎が再発したと思われる1生存例

著者: 児玉芳夫1 川村智範1 渡辺雅幸1 一ノ渡尚道1

所属機関: 1防衛医科大学校精神科学教室

ページ範囲:P.375 - P.382

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 【抄録】 妊娠を契機として,Klüver-Bucy症候群を呈し単純ヘルペス脳炎が再発したと思われる1生存例を報告した。症例は25歳の女性で,23歳時に単純ヘルペス脳炎を発症し,acyclovirが投与され,約9カ月で治癒したが,通院終了から11カ月後,妊娠3カ月目で,微熱,言語障害,支離滅裂な言動が出現し,再入院となった。Klüver-Bucy症候群が,人間においてみられるのは稀であり,症状も動物実験でみられたような完全型は少ないが,本症例では同症候群の部分型と思われる臨床症状と髄液所見,脳波所見から,単純ヘルペス脳炎の再発と考え,acyclovir,Ara-Aを投与し,約8カ月目で寛解に至った。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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