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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻4号

1994年04月発行

研究と報告

Manchester Scale日本語版の信頼度と妥当性の検討

著者: 武川吉和12 堀彰2 綱島浩一2 石原勇2 宇野正威2 村上弘司2 西村康2 井野恵三2 平井利幸2 梶村尚史2 高山豊2 早川東作23

所属機関: 1小田原市立病院精神神経科 2国立精神・神経センター武蔵病院精神科 3東京農工大学保健管理センター

ページ範囲:P.389 - P.394

文献概要

 【抄録】 難治性精神分裂病の調査に用いるため,Krawieckaらが開発したManchester Scale(MS)の日本語版を作成した。12名の精神科医が,主治医と非主治医で2名1組となり,精神分裂病(ICD-10-JCM)の入院患者60例を対象として同席面接法により評価した。その結果,MSの各項目の得点および総合点において主治医と非主治医の得点の間に有意差は認められず,両者の得点の間には有意な相関が認められた。また,総合点と各項目の得点の間に有意な相関が認められ,α係数は十分に高かった。さらに,総合評価尺度(Global Assessment Scale)を外的基準として,MSの各項目の得点および総合点との相関を求め,いずれとも有意な相関が認められた。以上より,MSの日本語版は,評価者間信頼度,内的整合性,妥当性とも十分に高く,また簡便に施行できることから,多数例の精神分裂病の調査研究にとって有用な尺度と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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